The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics

理事長挨拶

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大森孝一

大森 孝一
(日本音声言語医学会理事長)

 日本音声言語医学会の理事長に選出して頂き,2年半を過ぎました.就任の際に申し上げましたが,会員の皆様へどのように役立つか,患者さんにとって有益か,社会にどのような貢献ができるかという視点で本学会を運営していきたいと考えております.本学会を発展させるためには皆様のご意見,ご協力が何より大切です.会員の皆様のご支援,ご指導をよろしくお願いいたします.

 本学会は1956年(昭和31年)に音声言語医学の進歩・発展に寄与することを目的として設立され,当初の会員数は62名でした.歴代理事長,役員,会員のご努力により発展し,現在は会員数約1,700名となっています.本学会は音声,言語を中心に,これらに密接に関連する高次脳機能,嚥下,聴覚,発達など幅広い領域を取り扱っています.そして,画像,内視鏡,生理検査による診断,外科的治療や内科的治療,リハビリテーション,発達評価,教育,基礎研究や臨床研究など様々な医療や医学に関わっています.わが国では高齢化社会を迎えて,生活の質を保ったままでの健康長寿が求められており,コミュニケーション医学を扱う本学会の重要性が増しています.先達の作ってこられた歴史を振り返りながら未来に向かうことが大切と考え,2015年には60周年の記念行事を名古屋の総会で行いました.

 最も大きな事業は学会誌の発行と学術講演会の開催です.学会誌は編集委員会のご努力で内容の充実したものになってきていますが,さらに今後は,会員も,会員の周囲の方も,手にとって読んでみたいと思うような医学誌に進化していければと考えています.学術講演会は開催地域での音声言語医学への関心を高めて頂くと同時に,新しい学術的成果を全国,世界に発信していきたいですし,会員の皆様が学会に参加して良かったと言って頂けるように,主催される会長を支援してまいります.

 委員会活動につきましてはできるだけ理事に担当をお願いし,委員長と進めて頂く方式としました.研究助成制度では,研究助成費審査委員会で採択された若手研究者の新規性のある課題が学会で報告されていますし,ポストコングレスセミナーでは,講習会企画委員会のもと言語聴覚士を中心に実践的な研修が行えるようになってきています.音声情報委員会では,「音声障害の診療ガイドライン」を作成中で,あと1年程度で皆様にお届けできると思っています.また,2005年に出版されたDVD「動画で見る音声障害」の改訂作業中です.会員へはもちろんのこと,患者さんへの情報提供も充実させたいと考えており,広報委員会で入会パンフレットを作成しました.お知り合いの方に配布していただければ幸いです.また,World Voice Dayに参加いたしました.嚥下委員会,言語・発達委員会ではそれぞれの課題に対応して活動し,シンポジウムのテーマにもなってきています.社会的な必要性から倫理委員会,利益相反委員会を立ち上げ,利益相反については学会誌投稿時に申告して頂くことになっています.学会誌への論文投稿を広くお願いしているところですが,同時に評議員の方には査読をお願いいたします.

 本学会は学際的で,医師,言語聴覚士,教育者,研究者など様々な職種の会員がおられます.せっかくの機会ですので,音声言語医学に関わる医療や教育について,多職種あるいは多施設の共同研究が進むように,学会としても支援していき,新規の医療や先端的医学研究にも力を結集して,若手の会員に魅力を感じてもらえるようになればと考えています.これらの活動を通じて,音声言語医学に関わる仲間を増やしていきたいと思っています.皆様のお力をお貸し頂きたく,ご協力をお願い申し上げます.